ベトナムの月次の会計義務

外国企業のための実務チェックリスト
ベトナムでは会計の順守は年に一度ではなく途切れなく続くものです。
売上がなく、請求書を出しておらず、活動がごくわずかな会社でも、月次の会計作業は済ませなければなりません。この義務を落としたり誤って扱ったりすることは、外国企業が加算金と調査のリスクを最も早く積み上げる道のひとつです。
本稿は毎月なにをすべきか、誰が担うのか、そして外国企業がベトナムの月次会計をどう効率よく回すのかを説明します。
ベトナムで月次会計が効く理由
ベトナムの税制はこういう性格です。
- 取引に基づきます
- インボイスで動きます
- 調査を前提にしています
当局は会社に次を期待します。
- 活動を毎月記録すること
- 必要な申告を期限内に行うこと
- 調査にすぐ応じられる記録を保つこと
📌 年度末の順守で、粗い月次会計を「取り繕う」ことはできません。
誰が月次会計を行うのか
月次会計は次に及びます。
- 外資100%出資の会社
- 合弁会社
- ベトナムの子会社
- 支店
- 駐在員事務所(範囲は限定的)
📌 義務は最初の売上ではなく設立の日から始まります。
ベトナムの月次会計の中核となる作業
1️⃣ すべての取引の記録
会社は次を記録しなければなりません。
- 売上(あれば)
- 費用
- 給与
- 銀行の取引
- 出資金(該当する場合)
記録は次を満たす必要があります。
- ベトナム会計基準に従うこと
- ベトナム語で保つこと
- 会計の通貨にドンを使うこと
📌 日付を遡らせた、あるいは後から作り直した記録は、調査で大きな赤信号です。
2️⃣ 付加価値税のインボイス管理(該当する場合)
付加価値税の登録がある会社はこうします。
- 課税売上に電子インボイスを発行します
- 仕入先のインボイスを受け取り、有効性を確かめます
- 税率ごとにインボイスを分けます
- インボイスと支払いを突き合わせます
📌 無効な、あるいは遅れたインボイスは仕入税額の否認と加算を招きがちです。
3️⃣ 付加価値税の申告(毎月または四半期)
たとえ次の状態でも同じです。
- 売上がなかった
- 納める税額がない
➡️ 申告は期限内に行わなければなりません。
📌 「ゼロ申告」も申告です。
4️⃣ 給与の会計と個人所得税の源泉徴収
月次の給与会計には次が含まれます。
- 給与の計算
- 個人所得税の源泉徴収
- 社会保険、健康保険、失業保険の拠出
- 給与明細と給与の記録
📌 給与の誤りはすぐに税務と労働法の違反へ広がります。
5️⃣ 銀行勘定の突合
毎月、会社は次を行います。
- 銀行の明細と会計記録を突き合わせます
- 差異を見つけます
- いつもと違う取引を説明します
📌 突合されていない銀行残高は調査を招くよくあるきっかけです。
6️⃣ 費用が損金になるかの点検
毎月の点検で次を確かめます。
- 費用が事業に関係するか
- 裏づけのインボイスが有効か
- 支払いが現金以外の要件を満たすか
- 費用の上限を守っているか
📌 年度末まで待つともう戻せない否認につながりがちです。
7️⃣ 会計帳簿と書類の保存
会社は次を保たなければなりません。
- 総勘定元帳
- 補助元帳
- 裏づけの書類
- 電子インボイスの記録
書類は次を満たす必要があります。
- 現地に保管されること
- すぐ取り出せること
- 法定の期間、保存されること
駐在員事務所の月次作業
駐在員事務所は売上を生みませんが、それでも次が要ります。
- 運営費用を記録すること
- 給与と個人所得税を処理すること
- 必要な申告を行うこと
- 月次の会計記録を作ること
📌 駐在員事務所は会計は要らないと思い込んで処分されることがよくあります。
月次会計の流れ(典型例)
| 作業 | 時期 |
|---|---|
| 取引の記録 | 随時 |
| インボイスの点検 | 毎月 |
| 付加価値税と個人所得税の申告 | 法定の期限まで |
| 給与と保険 | 毎月 |
| 銀行の突合 | 月末 |
| 帳簿の締め | 月末 |
量より続けることが効きます。
よくある月次会計の誤り
❌ 設立後に会計担当を置かないこと
❌ インボイスの処理が遅れること
❌「ゼロ」申告を落とすこと
❌ 裏づけのない現金払い
❌ 銀行の突合をしないこと
❌ 会計を四半期や年に一度の仕事と考えること
これらは調査のときにようやく表に出ることが多いのです。
月次会計:外部委託と内製
外部委託(最も一般的)
✔ 費用が抑えられます
✔ 現地の順守の知見があります
✔ 規模に合わせやすいです
✔ 監査に耐える記録が残ります
内製
❌ 固定費が高くなります
❌ 管理の手間がかかります
❌ 強い内部統制が要ります
📌 ベトナムでは外資系の中小企業の多くが月次会計を外部に委ねています。
月次会計と記録上の雇用主(EOR)
EOR だけで事業を回している場合はこうです。
- 月次の会社会計はありません
- 付加価値税や法人所得税の申告もありません
- 給与は EOR が処理します
📌 月次会計は法人を設けた後から始まります。
月次会計の点検表
✔ すべての取引を記録したか
✔ 有効なインボイスを集めたか
✔ 給与と個人所得税を処理したか
✔ 保険料を納めたか
✔ 銀行勘定を突合したか
✔ 申告を期限内に行ったか
✔ 記録を適切に保管したか
どれか欠けると順守のリスクが高まります。
BusinessPartner.vn の月次会計の支援
BusinessPartner.vn は外国企業を次のように支援します。
- ベトナム会計基準に沿った月次の記帳
- 付加価値税と個人所得税の申告
- 給与と保険の会計
- 銀行勘定の突合
- 費用の点検と順守の確認
- 監査に耐える会計記録
- 続けての会計と税務の外部委託
👉 当社のベトナム会計の担当にご相談いただき、月次会計の見直しや委託をご検討ください。


