ベトナムの駐在員事務所と子会社:どちらを選ぶべきか

外国企業がベトナムで早い段階に犯す最も多い誤りの一つが、法的な拠点の形を選び間違えることです。
多くの会社が駐在員事務所を会社の「軽い版」だと思って登記し、あとになって適法に事業を行えないと気づきます。逆に、運用の準備が整わないうちに子会社へ飛び込み、コンプライアンスの費用とリスクを増やす会社もあります。
本ガイドでは、ベトナムの駐在員事務所と子会社の違い、それぞれができることとできないこと、そして参入の段階に応じてどう選ぶかを説明します。
ベトナムの駐在員事務所とは何か
駐在員事務所は、外国企業の非商業的な拠点です。
これは収益を生む事業のためではなく、市場調査と連絡業務のためだけに設計されています。
駐在員事務所ができること
- 市場調査を行う
- 親会社を広報する
- パートナーや顧客と連絡を取る
- 海外で締結された契約を管理する
- 限られた人数の従業員を雇う
駐在員事務所ができないこと
- 売上を立てる
- インボイスを発行する
- 商業契約を締結する
- 物品を輸入または販売する
- 有償のサービスを提供する
📌 駐在員事務所は法律上の事業体ではありません。
ベトナムの子会社とは何か
子会社はベトナムの法人であり、通常は100%外資の会社という形をとります。
これは商業活動を行える、完全に稼働する事業体です。
子会社ができること
- ベトナムで契約を締結する
- インボイスを発行する
- 売上を立てる
- 直接に人を採用する
- 銀行口座を開設する
- 営業許可を申請する
- 物品を輸出入する
📌 ベトナムで収益を生むあらゆる活動には子会社が必要です。
主な違い:駐在員事務所と子会社
| 項目 | 駐在員事務所 | 子会社 |
|---|---|---|
| 法的地位 | 法人ではない | 法人 |
| 売上の計上 | ❌ 不可 | ✅ 可 |
| 契約の締結 | ❌ 不可 | ✅ 可 |
| インボイスの発行 | ❌ 不可 | ✅ 可 |
| 従業員の雇用 | 限定的 | 制限なし |
| 会計 & 税務 | 最小限 | 完全なコンプライアンス |
| 設立の複雑さ | 低い | 中から高 |
| コンプライアンスの負担 | 低い | 継続的 |
許認可と設立にかかる期間
駐在員事務所
- 書類が少ない
- 承認が早い
- 一般的な期間:3〜5週間
- 許可の有効期間は通常限られる(更新が必要)
子会社
- 投資登録と企業登録が必要
- 書類と承認がより多い
- 一般的な期間:4〜8週間
- 恒久的な事業の器
📌 駐在員事務所は設立が容易ですが、その分制約もはるかに大きいのです。
費用とコンプライアンスの比較
駐在員事務所
- 設立費用が低い
- 法人所得税がない
- 会計上の義務が限定的
- それでも年次の報告は必要
子会社
- 設立費用が高い
- 完全な税務コンプライアンス(付加価値税、法人税、個人所得税)
- 会計と監査が義務
- 給与と労働法上の義務
📌 駐在員事務所は初期こそ安いものの、成長を支えられません。
駐在員事務所のよくある誤用
多くの外国企業が駐在員事務所を次のように誤用します。
❌ 契約の締結に使う
❌ 駐在員事務所を通じて手数料を支払う
❌ 現地でサービスを提供する
❌ 事実上の営業所として運営する
こうした行為は、会社を次にさらします。
- 遡及課税
- 制裁金と過料
- 子会社への強制的な切り替え
📌 当局は許可の名称ではなく実際の活動を見ます。
駐在員事務所が筋の通る場合
次の場合、駐在員事務所が適することがあります。
✔ 初期段階の市場調査を行っている
✔ 現地の連絡拠点が必要である
✔ ベトナムで売上を立てる計画がない
✔ コンプライアンスの負担を最小にしたい
✔ 契約は海外で締結されている
駐在員事務所は、大手多国籍企業がモニタリングや調達の目的でよく使います。
子会社が正しい選択である場合
次の場合、子会社が必要です。
✔ 製品やサービスを販売する
✔ 現地で契約を締結する
✔ 運営チームを採用する
✔ ベトナムの顧客に請求する
✔ 長期の拡大を計画している
📌 多くの中小企業や成長企業にとって、子会社が正しい形です。
別の選択肢:どちらも作らずに始める(EORの形)
次を望むなら、
- 人を採用する
- 市場を試す
- 営業や技術のチームを作る
- いますぐの法人設立は避ける
👉 EOR(記録上の雇用者)のほうが良い第一歩かもしれません。
多くの企業がこの道をたどります。
EOR → 子会社 → 拡大
この形なら、駐在員事務所の制約を避けつつ、本格的な設立を先送りできます。
判断でよくある誤り
❌ 「費用を抑えるため」に駐在員事務所を選ぶ
❌ 駐在員事務所のもとで商業活動を回す
❌ 子会社の設立を先延ばししすぎる
❌ 駐在員事務所のコンプライアンス義務を無視する
❌ 駐在員事務所は簡単に格上げできると思い込む
📌 駐在員事務所を子会社に変えるのは、多くの場合「格上げ」ではなく閉鎖して申請し直すことです。
BusinessPartner.vnによる適切な形の選定支援
BusinessPartner.vnは外国企業を次の面で支援します。
- 参入形態の評価
- 駐在員事務所の設立
- 子会社の設立
- EORによる採用
- コンプライアンスの計画
- 段階的な参入戦略
👉 当社のベトナム市場参入アドバイザーにご相談ください。事業目標に合った形を一緒に選びます。


