外国企業が見落とすベトナムの隠れた人件費

人員が安く見える理由と、あるときから安くなくなる理由
ベトナムはしばしば費用効率のよい採用先と見られます。給与は競争力があり、人材は厚く、組織は素早く広げられます。それでもベトナムで事業を営む多くの外国企業が雇用の本当の費用を低く見積もり、利幅が細るとき、再編が始まるとき、紛争が起きるときになって差に気づきます。
本稿は外国の雇用主がよく見落とす隠れた人件費を挙げ、なぜ遅れて表に出るのか、そしてどうすればより現実的に予算と人員戦略を組めるのかを説明します。
ベトナムの人件費を読み違えやすい理由
ベトナムの基本給は比較的わかりやすいものです。見えにくいのは、給与の上に積み重なる義務的な拠出、手続き上の義務、退職にまつわる費用です。
これらが隠れているのは、違法だからでも分かりにくいからでもなく、次の理由です。
- 採用の通知書には載りません
- 少しずつ積み上がります
- 圧力がかかったときにだけ姿を現します(解雇、調査、再編)
その結果、企業は人件費を15~30%も低く見積もりがちです。
費用1:義務的な社会保険の拠出
社会保険は見落とされる費用の中でも大きなものです。
雇用主は次に拠出しなければなりません。
- 社会保険
- 健康保険
- 失業保険
これらは届け出た給与の上限をもとに計算され、現地従業員のほとんどに及びます。低く届け出れば目先の費用は下がりますが、後の処分や遡っての納付への露出は大きくなります。
見落とされる理由:
企業が総支給額にばかり目を向け、雇用主の法定拠出を忘れるからです。
費用2:時間外、深夜、休日の割増
ベトナムの労働規則は次について厳しい定めを置いています。
- 時間外労働の上限
- 時間外の割増率
- 深夜勤務の手当
- 祝日の賃金
急に育つ組織、とくに運用や支援や製造では、これらの割増があっという間に積み上がります。
見落とされる理由:
時間外は、調査や紛争で記録が見直されるまで非公式に扱われがちだからです。
費用3:試用と契約の転換のリスク
試用は認められていますが、規制は厳格です。
リスクは次のときに生じます。
- 試用期間が法定の上限を超えるとき
- 成果についての判断が書面に残っていないとき
- 契約が自動的に期間の定めのないものへ変わるとき
いったん転換すると、雇用の終了はかなり高くつき、制約も増えます。
見落とされる理由:
試用が長期の費用と結びつかない「お試し期間」と見られているからです。
費用4:解雇と退職金の露出
ベトナムに随意の解雇はありません。
雇用の終了はしばしば次を伴います。
- 予告の義務
- 退職金の支払い
- 話し合いによる和解
正当な解雇であっても、手続きが非公式だったり書類が薄かったりすれば高くつきます。
見落とされる理由:
解雇の費用は採用や予算の段階でほとんど織り込まれないからです。
費用5:紛争の対応と法務の時間
労働紛争が人事の段で収まることはめったにありません。
しばしば次が要ります。
- 経営陣の時間
- 外部の法務の助力
- 和解の交渉
- 業務の中断
小さな紛争でも、費やす資源は不釣り合いに大きくなります。
見落とされる理由:
企業は給与を見込んでも、経営陣の注意の分散や法務の間接費を見込まないからです。
費用6:拡大の後の順守の手直し
組織が大きくなると、非公式なやり方は通らなくなります。
費用は次から生じます。
- 契約の作り直し
- 給与の訂正
- 保険の遡っての納付
- 内部監査と仕組みの入れ替え
目が厳しくなれば、これらはもう選べる話ではなくなります。
見落とされる理由:
初期の近道は、規模が大きくなって表に出るまでは害がなさそうに見えるからです。
費用7:下り坂での人員の硬さ
いちばん大きな隠れた費用のひとつが柔軟さの欠如です。
ベトナムで人員を減らすことは次のとおりです。
- 手続きが多い
- 時間がかかる
- たいてい交渉を伴う
人員の設計をせずに一気に広げた企業は、固定費の型に閉じ込められた自分に気づきます。
見落とされる理由:
成長の計画づくりで下振れの筋書きが費用として計算されることはまれだからです。
費用8:EOR と法人の費用比較の誤り
EOR の費用を基本給とだけ比べて「高い」と結論づける企業があります。
実際には、EOR の手数料は法人での採用が先送りする費用を束ねて含んでいます。
- 保険の露出
- 解雇のリスク
- 順守の管理
その比較はたいてい片手落ちです。
見落とされる理由:
リスクを織り込まずに項目ごとに突き合わせているからです。
これらの費用はいつ表に出るのか
隠れた人件費は、順調な成長のあいだにはめったに現れません。次のときに出てきます。
- 成果の問題が起きるとき
- 経営陣が替わるとき
- 再編が必要になるとき
- 監査や調査が始まるとき
- M&A や撤退の話が始まるとき
そのころには選べる手が少なく、費用は後追いになります。
より正確に予算を組むには
現実的な人件費の予算には次が入ります。
- 給与だけでなく雇用の総費用
- 筋書きごとの解雇と再編の費用
- 組織が育つときの順守の間接費
- 実費としての経営陣の時間
これでベトナムが「高い」国になるわけではありません。計画が正直になるだけです。
リスクの低い人件費の構えを設計する
ベトナムで人件費をうまく扱う企業はこうしています。
- 法人での採用と EOR を戦略的に混ぜる
- 契約と役割の定義をきっちり保つ
- 成果の管理を早くから正式にする
- 退職と再編の筋書きを前もって用意する
彼らは人件費を固定の数字ではなく戦略の変数として扱います。
BusinessPartner.vn の人件費リスク管理の支援
BusinessPartner.vn は外国の雇用主を次のように支援します。
- ベトナムでの本当の雇用費用を試算すること
- 規則に沿い、かつ柔らかい採用の構えの設計
- 解雇と再編の露出の見極め
- EOR と法人の得失についての助言
- 紛争と順守から来る費用リスクの低減
👉 ベトナムの人員が増えている、あるいは費用の前提が楽観に過ぎると感じるなら、労務のリスクが利幅と柔らかさを削る前に当社のアドバイザーにご相談ください。


